Unknown-1

金曜日って「三匹のおっさん」の他は深夜時間帯で、バイプレーイヤーズ、山田孝之カンヌ映画祭なんで、いまひとつ寂しい。あ、そうかNHKのドラマがあるな。4月には新体制できちんと全貌を把握しておこう。

さて下克上受験 
これは原作もので、原作はノンフィクションだそうで、受験中リアタイでブログ更新されていたものを書籍化したとか。そう思ってみるとちょっとびっくりなんだけども。

中卒の夫婦が、娘を中学受験させる話なんだが、キモは親塾で成功させるということ。
自分で言うのもなんだが、私は受験指導を仕事にしているけど、親塾はやりたくない。こないだ、傾聴のワークショップに参加したが、講師の先生は自身のお子さんには怒ってしまうとのことだった。と言うわけで、親塾?無理!なんだが、このお父さんはやる。

そのために
仕事を辞める。その理由が勉強と仕事の両立が困難だから。
なんやそれ、仕事は部活か?と突っ込みたくなる。
でも、それが事実なんだと言われれば、そうですかとしか言いようがない。

第9話で驚くのは母親も仕事を休むことだ。
徹底的に閉じてしまうこの家族。大丈夫なのか?

就活家族とは反対の方向だ。

でも。。。
ふと思うんだけど、この父親、勉強や受験が楽しかったのではないか。
自分ができなかったことを子どもでやり直したのではないか。
そんな気がしないでもない。

その証拠が公式サイトの今週の俺塾の内容
これがなかなかのもので毎回読ませる。
この人、本当に勉強したんだなとわかる。
真剣に勉強してないとわからないことが書いてある。
例えば、ジャネーの法則「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)」を持ち出す。
中学受験の場合、子どもが受験勉強をしている時期は10歳から12歳あたりだ。
仮に親が40歳だとすると、
子どもは
生涯の10分の1程度の感覚で時を過ごしているのに、
親は
生涯の40分の1の時を過ごしていることになる。
(略)
子どもが立っている地球は、親よりもかなりゆっくり公転しているんだ。

親が時間がないと焦ってるのは自分の尺度だから。
子どもの立場に立てば、時間はたっぷりある。
これはわかる。子どもは本当に一年で変わる。

濃密な時間を過ごしているのだ。
この父親は、偏見や予断なく、状況を受け止め感じて考えたんだろうな。
こんなのもあった。

受験には親子バトルがつきもの。子どもが出来ないとイライラするのは当然だと思う。何とか出来るようになってほしいと願う気持ちがあるからキレてしまうんだ。

でもキレるときってどんなときだ? よく考えると自分は出来て子どもは出来ないときじゃないか? 漢字なんかがそうだな。子どもが書けない漢字でも親は知っていることが多いからさ。つまり、優位なときにキレるんだ。例えば社会の山地山脈を全部言えない子どもにキレるかな? 自分も出来ないときは見て見ぬふりするはずだ。それはずるい。さすがにずるい。自分がキレるときがどんなにずるいときか認めることが大切だと思うんだ。 

えらい!!
こう言う親を表現するキャストとして阿部サダヲと深沢恭子は良かったな。
 
こんな経験ができるのは条件が揃わないとできない。
この夫婦は、中卒で学歴こそ低かったが 、
そのほかの社会資本(社会資本)は持っていた。
職場や友人知人や、親や、みんなが応援してくれていた。
<貧困>ではなかったからできた。

そして一つの経験に集中して濃密に取り組んだからこそ、
次の段階ではきっと開いていけるんだろうな。

学歴があっても社会資本(人間関係)がないとやばい。
学歴と社会資本(人間関係)どっちが重要かというと
社会資本に決まっとる。

塾の中でも
こいつは絶対になんとかしちゃると講師に思わせられるか否か。
ここが社会資本の形成力で、これを持ってる子は強い。

この父親はそれを持っていた。
そういうことだね。